国民が国家予算に納める税金は、インフラ建設への投資、社会保障、教育、医療、治安維持、国防など、国民全体が享受する公共サービスのために国が使用するものです。本稿では、個人所得税(PIT)の概要、計算方法、納付するメリットについて解説します。
I. 個人所得税(PIT)とは
a) 定義
個人所得税(Personal Income Tax:PIT)とは、各種控除を適用したうえで、所得者が給与収入またはその他の所得から国家予算に納めなければならない税金のことです。
PITの主な特徴:
- 課税対象期間:月次(月給所得者)または所得発生時点(季節労働者)
- 源泉徴収:所得支払時に支払者が源泉徴収を行う
- 申告:月次または四半期ごと(事業者の状況に応じる)
- 確定申告:年1回
b) PITの計算方法
給与所得に対するPITの計算方法は、契約区分に応じて以下の3通りに分かれます。
- 区分1:3か月以上の労働契約を締結している居住者 ― 累進税率に基づき計算
- 区分2:3か月未満の労働契約または契約を締結していない者 ― 総支給額の10%を源泉徴収
- 区分3:非居住者(多くは外国人) ― 一律20%の税率
c) 留意点
- 家族控除:
- 本人控除:2020年7月1日以降、月額11,000,000 VND
- 扶養家族控除:2020年7月1日以降、扶養家族1人あたり月額4,400,000 VND (扶養家族数に上限はなく、1人の納税者にのみ控除を適用)
- その他、強制社会保険料、慈善・人道支援・教育寄付金も控除対象
- PIT確定申告:追加納付が必要な場合または還付請求を行う場合に実施します。第三者への確定申告委任も可能です。
II. 個人所得税を納付する理由
PITは、一定水準以上の所得を有する個人が国家に納める税金です。納付の意義を以下に整理します。
a) 国家予算の拡充
個人所得税の納付は、社会保障制度の運営や公共インフラ(電気・道路・学校・駅など)への投資など、国民の基本的なニーズを満たすための財源確保に貢献します。
b) 所得再分配による格差是正
PITの納付は社会的公正の実現にも寄与します。課税最低限を上回る所得を持つ層が納税することにより、所得階層間の格差を緩和し、富裕層と低所得層との不均衡を是正する役割を果たします。
c) 経済成長の促進
個人所得税の納付は、地域間の競争力を確保しつつ優秀な人材の誘致を後押しし、経済成長を促進する基盤となります。
d) 所得の合法性の証明
個人所得税を納付する際には、納税者は自らの所得を申告する必要があります。これにより、国は個人の正当な収入を把握・管理することが可能となります。
III. 個人所得税の最新の課税対象所得
個人所得税法に基づき、課税対象となる主な所得は以下のとおりです。
- 事業所得(年間収入が1億VNDを超えない場合は非課税)
- 給与・賃金所得(手当、賞与、その他法定の支給を含む)
- 利子・配当・株式投資による所得
- 会社における出資持分の譲渡、企業株式の譲渡による所得
- 不動産の譲渡、技術移転、知的財産権の譲渡などによる所得
- 贈与、宝くじ、販促キャンペーン等の賞金
- 相続による所得
以上、個人所得税の概要と納付の意義についてご紹介しました。実務上のご相談がございましたら、Wacontreまでお気軽にお問い合わせください。